爪裏の皮膚が伸びすぎて邪魔だからといって、通常の爪切りで爪ごとバチンと切断しようとするのは極めて危険です。
ハイポニキウムは単なる角質ではなく、毛細血管と知覚神経が密集している「生きた皮膚組織」です。爪切りで挟み込んでしまうと、激しい痛みが走ると同時にハイポニキウムから出血し、指先を強くぶつけたような鈍痛が数日間にわたって続くことになります。
さらに深刻なのは、傷口から黄色ブドウ球菌などの細菌が入り込んで発症する「爪周囲炎(そうしゅういえん)」や「ひょう疽(ひょうそ)」のリスクです。化膿して指先が赤く腫れ上がると、医療機関での切開排膿や抗生物質の服用が必要になるケースも報告されています。
また、無理にピンセットや爪切りで千切ったり、器具で乱暴に処置したりすると、爪甲と皮膚が異常に剥がれてしまう「爪甲剥離症(そうこうはくりしょう)」を併発する恐れがあります。白く浮き上がった爪が元に戻らなくなるリスクがあるため、物理的な力技での切除は厳禁です。