なぜホタルイカは海岸へ打ち上げられるのか。海洋生物学および現地の漁業関係者の証言によると、身投げを行うホタルイカの大半は産卵を終えたメス個体です。普段は水深200〜600mの深海に生息していますが、産卵期である春(3月〜5月)になると夜間に浅場へ浮上し、産卵行動を行います。その後、強い沿岸流や波、月明かりのない暗闇で方向感覚を失い、急深な富山湾特有の砂浜へ打ち上げられてしまう現象が「身投げ」です。
ホタルイカ湧き予想2026の観点から導き出される「大湧き(爆湧き)」の気象・物理条件は極めて明確です。
第一の条件は、ホタルイカ掬い時期と新月の周期です。満月の夜は月明かりによって海中での方向感覚が保たれやすいため、大群での接岸は起きにくくなります。月明かりが完全に消える「新月」およびその前後数日間の大潮・中潮の夜が最も接岸確率が高まります。
第二の条件は、富山ホタルイカ潮汐表・風向きです。海からの北風(向かい風)は海面を荒らし、底荒れを引き起こすためホタルイカが警戒して深場へ沈んでしまいます。対して、立山連峰側から海へ向かって吹き降ろす「南風(出し風)」かつ風速2m以下の穏やかな夜は、波打ち際がベタ凪となり、浮上した個体がそのまま波打ち際へと寄せられます。さらに、深夜22時から午前3時頃の「満潮から下げ潮へ動くタイミング」が重なれば、息をのむような青い絨毯が現れる確率が跳ね上がります。
2026年の水温推移データを見ても、富山湾沿岸の表層水温が11℃〜13℃で安定する3月下旬から4月中旬が年間最大のハイシーズンであることは疑いようがありません。