紙の単行本として書店に並ぶことが難しくなった過激なテーマの作品も、電子書籍の普及によって新たな読まれ方を獲得している。現在、Amazon Kindleやコミックシーモアをはじめとする大手電子プラットフォームでは、適切な年齢確認やコンテンツ警告(トリガーワーニング)を前提とした配信環境が整えられている。
これにより、かつて書店店頭での陳列をめぐって紛糾した作品群が、読者個人の責任と判断のもとで静かに、しかし途切れることなくアクセスされ続けている。アルゴリズムが推奨するトレンドとは一線を画し、人間の暗部を真正面から描いた古典的コミックをあえて求める読者の存在は、整然としすぎた現代のエンターテインメントに対する批評的眼差しとも言える。