旅行口コミサイトやSNSの投稿を分析すると、高山リスの森に対する評価は訪問時間帯によって二極化しています。午前中に訪れた来園者からは「手袋を差し出すだけで何匹も飛び乗ってきた」という歓喜の声が上がる一方、14時以降に訪れた層からは「どのリスもお腹いっぱいで見向きもされない」という嘆きが目立ちます。
この現象の背景には、齧歯類の明確な日内リズムが存在します。シマリスをはじめとする小型のリスは典型的な昼行性動物ですが、採餌活動のピークは「早朝から午前中」に集中します。夜明けとともに目覚めて空腹状態で活動を始め、一日のエネルギーの大半を午前中に補給する体内時計を持っています。
さらに現場特有の環境要因として、来園者による給餌量が挙げられます。開園時間の朝9時から正午にかけて多くの観光客が餌(ヒマワリの種など)を与えるため、午後を迎える頃にはリスたちの胃袋は限界を迎えます。満足した個体は木の上や巣箱、涼しい草むらへ移動して昼寝を始めるか、地面に種を埋める「貯食行動」に移行するため、人間の手から直接餌を食べる意欲が極端に低下するわけです。