スキルス胃がんは、初期段階における特異的な自覚症状がほぼ存在しません。しかし、病状が進行し胃壁の柔軟性が失われてくると、胃本来の機能である「食物を一時的に溜めて細かく砕く」という運動ができなくなります。以下の兆候が続く場合は注意が必要です。
- 早期膨満感:少し食事を口にしただけで、胃がパンパンに張ってそれ以上食べられなくなる。
- 慢性的な胃もたれ・重圧感:市販の胃腸薬や制酸薬を1〜2週間服用しても改善しないみぞおちの違和感。
- 原因不明の体重減少:意図的なダイエットをしていないにもかかわらず、数ヶ月で体重が3〜5kg以上減少する。
- 胸焼け・げっぷの頻発:胃の容積が狭まり、胃酸や食べたものが食道へ逆流しやすくなる。
- 貧血症状:微小な出血による立ちくらみ、倦怠感、息切れ。
これらを見過ごして放置すると、がん細胞が胃壁の最外層である漿膜を突き破り、お腹の中(腹腔内)に種をまいたように散らばる腹膜播種(ふくまくはしゅ)を引き起こします。腹膜播種が進行すると難治性の腹水が溜まり、腹部膨満や腸閉塞(イレウス)による激しい通過障害を伴うため、外科的な切除手術が適応外となるケースが大半を占めます。