ネット上やSNSでは「唐辛子を撒けば寄ってこない」「ニンニクや木酢液の臭いでハクビシンを完全に追い払える」といった民間療法的な防除ノウハウが散見されます。しかし、害獣駆除の専門家や農林技術センターの研究データによると、これらハクビシン嫌いな食べ物や刺激臭を活用した忌避対策には大きな落とし穴が存在します。
確かに、カプサイシン(唐辛子成分)や強いハーブ臭、木酢液・竹酢液の燻製臭、山火事を連想させる焦燥臭は、嗅覚が発達したハクビシンにとって不快な刺激となり、一時的に警戒心を抱かせる効果はあります。しかし、忌避剤の効果は一時的なものに過ぎず、時間の経過とともに臭いに慣れてしまうケースが極めて多いのが現実です。
空腹状態のハクビシンにとって、「不快な臭い」よりも「目の前にある高糖度の果物や生ゴミの魅力」が勝ってしまうため、数日から1週間程度で再び侵入を許してしまう事例が後を絶ちません。臭いによる忌避対策はあくまで補助的な応急処置であり、物理的な侵入防止策と組み合わせなければ根本的な解決には至りません。