仕込んでから1週間が経過しても「底に氷砂糖がガチガチに固まったまま溶けない」「冷凍梅を使ったのにエキスが思うように出てこない」という声も多く寄せられます。これらの現象は、浸透圧のメカニズムを理解することで容易に解決できます。
砂糖が溶けない最大の理由は、瓶を揺する頻度の不足です。氷砂糖は溶け始めると比重の重い濃厚な糖液となって瓶の底部に沈降します。この高濃度シロップの層が梅の実と接触しない状態が続くと、梅から水分を引き出す浸透圧が働かなくなってしまいます。対処法としては、毎日朝晩2〜3回、底の砂糖が全体に行き渡るように瓶を逆さまにして回すことが不可欠です。
また、冷凍梅を使用した際にエキスが出にくいと感じる場合は、梅の細胞壁が破壊されているものの、室温が低すぎて砂糖の溶解スピードが極端に落ちているケースが見られます。仕込み初期の段階で少量の果汁が出始めたら、瓶全体をこまめに傾けて梅全体を糖液でコーティングしてください。皮が硬くてエキスが出ない生梅の場合は、清潔な竹串で梅の表面に数カ所穴を開けてあげることで、抽出速度が劇的に改善します。