出入国管理及び難民認定法(入管法)第24条には、退去強制の対象となる事由が厳格に列挙されています。取材班が確認した現場データによると、強制送還の理由として圧倒的多数を占めるのは、在留期限を徒過したまま潜伏を続ける不法滞在オーバーステイです。かつてのように「少し期限が切れただけだから平気だろう」という甘い認識は通用せず、入管当局のデジタル監視ネットワークや住民登録情報の照合によって、不法残留者は迅速に捕捉される体制が整っています。
見落としてはならないのが、正規の在留カードを所持している者でも対象となり得る在留資格取消処分からの退去強制です。入管法第22条の4に規定されるこの制度では、偽りの書類でビザを取得したケースはもちろん、活動実態が3か月以上ない留学生や、許可されていない風俗店・建設現場等で不法就労に従事した者が厳しく処分されます。
さらに、日本国内で刑事事件を起こし、一定以上の有罪判決を受けたケースでは自動的に退去強制事由に該当します。特に薬物事犯や無免許過失運転致死傷罪、組織的な窃盗犯罪については、執行猶予が付いた判決であっても即座に出入国在留管理庁の強制送還レールへと直結する仕組みです。法務省の執務資料でも「社会秩序を著しく害する外国人に対する厳格な排除」が明確に打ち出されており、犯罪事由に対する温情措置の余地は極限まで削ぎ落とされています。