平成ジャンプ元岡本圭人と父・岡本健一|脱退の真相と舞台で掴んだ現在地

平成ジャンプ元岡本圭人と父・岡本健一|脱退の真相と舞台で掴んだ現在地

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岡本親子が決定的な転換点を迎えたのが、2021年8月に上演された舞台『Le Fils 息子』での親子初共演でした。フランスの劇作家フロリアン・ゼレールによる傑作戯曲であり、思春期の絶望と精神的危機に苛まれる息子・ニコラ役を岡本圭人が、苦悩しながら息子を救おうとする父・ピエール役を実父の岡本健一が演じました。

フランス人演出家ラディスラス・ショラーによるオーディションを経て、実の親子である二人がキャスティングされたことは演劇界に大きな波紋を呼びました。単なる話題作りと見る向きもありましたが、幕が開くや否や、劇場の空気は静まり返りました。当時の劇評や特番インタビューでも明かされた通り、稽古場において二人は「家族」であることを完全に排除し、一人の役者として熾烈なディスカッションを重ねていたのです。

舞台上で繰り広げられたのは、フィクションの登場人物でありながら、どこか現実の親子関係の歴史をも滲ませるような、生々しい魂の対話でした。精神のバランスを崩していく息子の痛切な叫びを体当たりで演じ切った岡本圭人に対し、岡本健一は父親としての深い苦悩と無力感を重厚なリアリズムで提示しました。初日を観劇した演劇評論家諸氏は、「二世という色眼鏡を完全に粉砕する衝撃作」「親子の共演という安全圏を自ら破壊し、傷だらけになりながら到達した演劇の極致」と絶賛の言葉を寄せています。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。