医療行為である以上、星状神経節ブロックの副作用や施術に伴うリスクを正しく把握しておく必要があります。
施術直後、ブロックした側のまぶたが重く垂れ下がる(眼瞼下垂)、瞳孔が小さくなる(縮瞳)、結膜が充血する、鼻づまりが起きるといった変化が現れます。これは「ホルネル徴候」と呼ばれる生理現象です。初めて体験すると「麻痺が起きたのではないか」と驚く人もいますが、交感神経が確実に遮断されたことを証明する指標であり、失敗ではありません。通常、麻酔薬の効果が切れる1〜2時間程度で完全に消失します。
一方、知っておくべき星状神経節ブロックの危険性としては以下のような事項が挙げられます。
- 反回神経麻痺による声のかすれ・誤嚥:麻酔薬が声帯を動かす神経に波及すると、一時的に声がかすれたり、水が飲み込みにくくなったりします。この症状が出ている間は飲食を控える必要があります。
- 局所血腫の形成:首には頸動脈などの太い血管が通っているため、針が血管に触れると内出血を起こす可能性があります。血液をサラサラにする抗凝固薬を服用している場合は事前の申し出が不可欠です。
- 血管内誤注入や局所麻酔薬中毒:麻酔薬が血管内に直接入ると、めまいや痙攣を引き起こすリスクがあります。
現在では、超音波エコーガイド下でリアルタイムに血管と針先を視覚的に確認しながら穿刺する技術が普及し、偶発症のリスクは大幅に低減されています。治療を受ける際は、日本ペインクリニック学会の専門医が在籍する医療機関を選ぶことが安心材料となります。