「カニの足は10本」という原則を知った上でタラバガニを見ると、ハサミを含めても外見上の足が8本(左右4対)しかないことに気付きます。このズレが生じる最大の理由は、タラバガニが生物学上「カニ」ではなく「ヤドカリの下目(異尾類)」に分類される生物だからです。
タラバガニ(鱈場蟹)は、タラが獲れる深い海の底に生息することからその名が付きましたが、分類学上はヤドカリの近縁種にあたります。祖先が狭い巻貝の中に体を収めていた名残で、左右非対称な腹部構造を持っていたり、後ろ向きではなく前や斜めに向かって歩行できたりといった、本物のカニにはない独特の性質を受け継いでいます。
タラバガニの足の数が8本に見えるのは欠損や奇形ではなく、ヤドカリの骨格構造をそのまま受け継いで進化を遂げた結果なのです。