「息をしていないように見えて、このまま死んでしまうのではないかと恐怖で手が震えた」――育児手記やSNSの緊急相談コミュニティには、子どもの熱性けいれんを初めて目の当たりにした保護者の切迫した体験談が日々投稿されています。公の場での特番インタビューや小児科救急医への取材でも、医療従事者が口を揃えるのは「救急要請時の保護者はほぼ100%パニック状態に陥っている」という過酷な現実です。
発作中の子どもは、呼びかけに応じず、手足を突っ張らせたりガクガクと小刻みに痙攣させたりし、口から泡を吹くこともあります。人間は強いストレスや愛する者の危機に直面した際、心理学でいう「行動麻痺」または「過剰防衛反応」に陥りがちです。「何か今すぐ手を打たなければ手遅れになる」という強迫観念が、医学的に誤った対処を反射的に引き起こしてしまう土壌となっています。まずは、親自身が「発作そのもので即座に命を落とすことは極めて稀である」という事実を知り、心理的な防波堤を築いておくことがすべての出発点です。