「うだつの上がる町並み」解剖!語源の謎と美濃・脇町観光の全情報に関する深掘り解説を丁寧に解説いたします。
日本国内でうだつの町並みを体感できる代表格として並び称されるのが、岐阜県美濃市の「うだつの上がる町並み」と、四国を代表する徳島県美馬市脇町(南町通り)です。いずれも国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されていますが、その成立背景と町並みの表情は明確に異なります。
美濃市は、江戸時代初期に領主・金森長近によって築かれた計画的な城下町(上有知)を起源とし、長良川の水運を活かした美濃和紙の集散地として栄華を極めました。碁盤の目状に区画された通りに、江戸から昭和初期にかけて建てられた多様なうだつが整然と連なります。一方、徳島県の脇町は吉野川の水運を掌握した阿波藍の集散地であり、豪放磊落な藍商人たちが財を惜しみなく投じた装飾性の高いうだつが特徴です。
東西の二大拠点が持つ個性をデータで客観的に整理したのが以下の比較表です。
項目詳細・数値データ一般的な基準・相場編集部の見解・評価岐阜県美濃市
(上有知地区)・選定年月:1999年5月
・保存地区面積:約9.3ha
・現存うだつ数:約30基
・主幹産業:美濃和紙問屋市街地型保存地区(平均5〜10ha前後)城下町の整然とした区画。生活感が息づき、飲食店やカフェのリノベーションが極めて活発。徳島県美馬市
(脇町南町地区)・選定年月:1988年12月
・保存地区面積:約5.3ha
・現存うだつ数:約50基
・主幹産業:阿波藍問屋宿場・河港町型保存地区(一本通り型)約430mの直線通りにうだつが密集。家紋や鬼瓦の彫刻など、装飾の絢爛さは随一の重厚感。建築的特徴の差異美濃:質実剛健かつ機能的、家ごとの家紋瓦
脇町:破風付きの曲面装飾、鳥衾(とりぶすま)の造形近世町屋の防火壁規準紙問屋の堅実な商風と、藍染めバブルに沸いた阿波商人の美意識の違いが外観に色濃く表れている。