皮膚疾患は視診が基本となる診療科ですが、本当に優秀な皮膚科医の診察には明確な共通項があります。単にパソコンのモニターを見たまま薬を出す医師と、根本的な治癒を目指す医師の違いは、診察室に入った直後の数分間に凝縮されています。
第一の特徴は、「患部を直接触診し、ダーモスコピーなどの拡大鏡で観察する」点です。皮膚の皮疹やできものは、光の当て方や手触り、硬さによって鑑別疾患が大きく変わります。服の上から一瞥するだけで済ませず、しっかり光を当てて診察する姿勢は名医の必須条件です。
第二に、「生活リズムやスキンケア習慣を細部まで聞き取る」ことが挙げられます。皮膚は内臓の鏡とも呼ばれ、睡眠不足や洗顔料の種類、食生活、仕事のストレスがダイレクトに影響します。薬の処方だけでなく、発症の引き金となった日常行動を洗い出す問診を行う医師は信頼に値します。
第三に、「外用薬の塗布量や塗り方を具体的にレクチャーする」点です。皮膚科治療の成否は外用薬の塗り方で8割決まると言っても過言ではありません。「人差し指の第一関節分(1FTU)」といった適正量や、塗る順序・期間を明確に指導してくれるクリニックは、患者の回復スピードが格段に早くなります。