胃酸を抑える市販薬は非常に優れた効果を持つ反面、使用にあたってはいくつかの重要な注意点が存在します。
まず理解しておかなければならないのが、胃酸本来の役割です。胃酸は食べ物の消化を助けるだけでなく、口から入った細菌を強力な酸で殺菌する重要な生体防御機能を担っています。そのため、薬によって胃酸を長期間にわたって強力に抑え続けると、腸内細菌叢の乱れや消化不良を引き起こすリスクがあります。
また、H2ブロッカーを服用する際は以下の点に留意してください。
・服用期間の目安:症状が治まったら服用を中止し、3日間服用しても症状が改善しない場合は服用を止めて医師に相談してください。最大でも2週間を超えて連用してはいけません。
・主な副作用:発疹、便秘、下痢、口の渇き、まれに肝機能障害や血小板減少などが報告されています。服用後に体調の異変を感じた場合は直ちに使用を中止してください。
・他の薬との飲み合わせ:胃酸の酸度によって吸収率が変わる薬剤(一部の抗真菌薬や抗生物質など)を併用している場合は、効果が減弱する恐れがあります。
特に注意が必要なのは、「薬を飲むと一時的に楽になるから」と市販薬で何ヶ月もごまかし続けるケースです。胃潰瘍や十二指腸潰瘍、あるいは胃がんなどの重大な病気が隠れていた場合、症状が一時的にマスクされて発見が遅れてしまう危険性があります。「体重減少を伴う」「便が黒い」「食べ物が喉につかえる」といった症状がある場合は、自己判断で市販薬を飲まず、迷わず消化器内科を受診してください。