大手美容クチコミサイトや知恵袋、各種SNSの投稿を網羅的に分析すると、皮膚の薄さに苦しむ人々の間には、共通の「スキンケア迷走パターン」が存在することがわかります。20代から40代の当事者から寄せられた生々しい告白には、深刻な精神的ストレスが滲み出ています。
「デパコスの高機能ラインを買い揃えて丁寧にケアしているのに、ファンデーションを塗ると夕方には頬がまだらに赤黒くくすむ」「皮膚科で処方されたヒルドイドですら熱感を持って赤くなる」「友達から『いつもチーク濃いね』と悪気なく言われるのが本当につらい」。自著や手記で肌トラブルの苦難を明かすインフルエンサーの言葉にも見られるように、赤ら顔は対人コミュニケーションにおける自己肯定感を著しく削ぎ落とします。
一方で、皮膚科クリニックの診察室で医師たちが目撃している光景は、患者の主観とは大きな乖離があります。都内の美容皮膚科専門医は次のように実態を明かします。
「『私は生まれつき皮膚が薄いから治らない』と訴えて来院される患者さんのカルテを精査すると、その約6割は過去数年間の過度な美容施術や、クレンジング時の強い圧迫マッサージが引き起こした二次的な菲薄化です。残りの4割が真性の毛細血管拡張症や酒さ(しゅさ)ですが、共通しているのは『良かれと思って何かを与えすぎている』点です。肌を触る回数が多ければ多いほど、皮膚は防衛反応を失い、悲鳴を上げます」
現場観察から導き出されるリアルは極めて明快です。悩みが深ければ深いほど、新しい化粧品を買い足し、鏡を凝視して擦り、肌をいじめ抜く悪循環に囚われているのです。