Asdで障害者手帳を取得する決定打とは?等級や条件・損得を徹底解剖

Asdで障害者手帳を取得する決定打とは?等級や条件・損得を徹底解剖

Asdで障害者手帳を取得する決定打とは?等級や条件・損得を徹底解剖について徹底解説いたします。専門家の見解をチェックしてください。

手帳取得を検討するうえで、表面的な情報だけでなく、具体的なメリットと隠れたデメリットの双方を天秤にかける必要があります。

自閉スペクトラム症で障害者手帳を取得する主なメリット

第一に挙げられるのが、税金控除と各種減免措置です。障害者控除が適用されることで所得税と住民税が軽減され、年収によっては年間数万円から十数万円の可処分所得が増加します。また、自動車税の減免、NHK受信料の減免(条件あり)、携帯電話各社の障害者割引プランの利用も可能です。

第二に、移動と文化生活におけるコスト削減です。精神障害者手帳を提示することで、自治体運営のバスや地下鉄の割引・無料乗車証が交付されるほか、美術館、博物館、映画館などの公共施設・娯楽施設で本人および同伴者の入場料が割引されます。

そして医療費負担の軽減という観点で絶対に見落とせないのが、自立支援医療(精神通院医療)との併用です。手帳と同時に申請されることが多いこの制度を利用すると、精神科・心療内科への通院や処方薬の窓口負担が原則3割から1割に引き下げられ、所得に応じた月額自己負担上限額が設定されます。定期的な通院が必要なASD当事者にとって、手帳の諸制度と自立支援医療の併用は家計の強固な防壁となります。

事前に把握しておくべきデメリットと注意点

一方で、ASDにおける手帳取得のデメリットとして指摘される点も存在します。制度そのものに法的なペナルティは存在しないものの、実務上以下の3点には留意が必要です。

一つ目は、民間保険(生命保険・医療保険・がん保険)への新規加入制限です。手帳の所持そのものが審査に引っかかるというよりは、「手帳を申請する原因となったASDの確定診断と通院歴」が告知義務に該当するため、標準的な保険への新規加入が難しくなったり、割増保険料が設定される引受基準緩和型保険を選択せざるを得なくなったりします。必要な民間保険がある場合は、確定診断や手帳申請の前に加入手続きを済ませておくのが鉄則です。

二つ目は、2年ごとの更新手続きと診断書作成費用(約5,000円〜1万円)の金銭的・時間的コストです。三つ目は、「障害者手帳を持つ自分」という自己認識に対する心理的葛藤(スティグマ)ですが、これに関しては手帳を所持していても誰かに見せる義務はなく、不要になれば返納できるという柔軟性を理解することで解消されやすい傾向にあります。

山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。