「春の七草」のラインナップは、歌を口ずさむようにリズムで覚えるのが最も効率的です。古くから短歌の五七五七七のリズムに乗せた暗記法が親しまれています。
「せり・なずな/ごぎょう・はこべら/ほとけのざ/すずな・すずしろ/これぞ七草」
この5つの節を2、3回唱えるだけで、自然と語順が頭に定着します。それぞれに込められた縁起の良い語源と、現代の栄養学から見た健康効果を整理すると、先人の観察眼の鋭さに驚かされます。
- せり(芹):「競り勝つ」に通じる縁起物。独特の清涼な香り成分には食欲増進効果があり、鉄分や食物繊維、ビタミンCを豊富に含みます。
- なずな(薺):「撫でて汚れを除く」が語源。別名ペンペングサ。利尿作用や解熱作用を持ち、古くから生薬としても活用されてきました。
- ごぎょう(御形):「仏体(仏の姿)」を表す神聖な草。別名ハハコグサ(母子草)。咳を鎮める作用があり、気管支炎やのどの荒れを予防します。
- はこべら(繁縷):「繁栄がはびこる」とされる縁起草。ビタミンAや葉酸を多く含み、古くは歯槽膿漏の予防薬や整腸剤として用いられました。
- ほとけのざ(仏の座):仏様の蓮華座に葉の形が似ていることが由来。健胃・整腸作用に優れます。(※道端に自生するシソ科の「ホトケノザ」とは別種のキク科「コオニタビラコ」を指すため、誤食に注意が必要です)
- すずな(菘):「神を呼ぶ鈴」を意味するカブ(蕪)のこと。根には消化酵素アミラーゼ、葉にはβ-カロテンやカルシウムが凝縮されています。
- すずしろ(清白):「純白・清廉潔白」を表すダイコン(大根)のこと。消化を助けるジアスターゼが豊富で、胃もたれや胸やけを強力に緩和します。