戦隊イエロー失踪事件の真相|バイオマン降板劇と矢島由紀の現在

戦隊イエロー失踪事件の真相|バイオマン降板劇と矢島由紀の現在

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『超電子バイオマン』は、シリーズで初めて女性戦士を2名(ピンクファイブとイエローフォー)配置し、緻密なドラマ性とハードなアクションで高視聴率を記録していた意欲作でした。その中心メンバーとして、卓越した身体能力とボーイッシュな魅力で絶大な人気を集めていたのが、JAC(現:JAE)所属の大型新人・矢島由紀氏が演じる小泉ミカでした。

しかし、物語が軌道に乗り始めた第9話の放送直後、突如として激震が走ります。第10話「さよならイエロー」の撮影現場に、主演キャストである矢島氏が姿を見せなくなったのです。連絡もつかず、撮影スケジュールをこれ以上遅らせることができない制作陣は、前代未聞の決断を迫られました。

結果として完成した第10話は、特撮ドラマの歴史上類を見ない異様なエピソードとなりました。小泉ミカはオープニングからエンディングまで一度も変身前の素顔を見せることなく、終始「変身後のイエローフォー」の姿のまま画面に登場します。敵幹部メイスンの放った反バイオ粒子兵器「バイオキラーガン」の連射を全身に浴び、仲間たちを守るために自らの命を犠牲にして散っていく――という痛烈な結末が描かれたのです。

この第10話において、姿を消した矢島氏の代わりにイエローフォーの声を急遽吹き替えたのが、後に『ONE PIECE』のルフィ役などで国民的声優となる田中真弓氏でした。当時のアフレコ現場を知る音響スタッフの証言によると、「朝一番でスタジオに呼び出され、事情も詳しく知らされないまま緊急で声をあてた」と語られており、制作現場がいかに切迫したパニック状態に陥っていたかが窺えます。

山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。