どれほど完璧な環境で管理していても、物理的に葉が割れないケースがあります。その代表例が「株の年齢」と「遺伝的な品種の違い」です。園芸店で3号〜4号ポットなどの小さなサイズで安価に販売されている株は、組織培養や実生から間もない幼苗です。モンステラの幼苗に切れ込みがいつから入るのかという問いに対して、生産現場のデータでは「発芽または挿し木から数えて概ね5〜7枚目以降の本葉」が一つの明確なボーダーラインとされています。株元が細く、まだ体力を蓄えていないステージでは、切れ込みのない全縁の葉しか展開しません。
さらに深刻なのが、市場でひとくくりに「モンステラ」として流通している個体の中に、大型種のデリシオーサ(Monstera deliciosa)と、節間が伸びやすいボルシギアナ(Monstera deliciosa var. borsigiana)が混在している事実です。この両者の性質の違いを把握していないことが、多くの挫折を生み出す原因となっています。
このように、モンステラにおけるデリシオーサとボルシギアナの違いを理解することは極めて重要です。手元にある株がボルシギアナである場合、床やサイドテーブルの上にそのまま放置していても、美しい切れ込みは期待できません。縦へよじ登らせる「支柱の設置」が不可欠なトリガーとなります。