「ジムに行く時間がない」「自宅にダンベルがない」という読者でも諦める必要はない。関節へのストレスを最小限に抑えつつ、自宅の省スペースで強烈なバーン(灼熱感)を生み出す自宅でできる肩の筋トレメソッドが存在する。
まず圧倒的におすすめなのが、安価で入手可能なゴムバンドを使ったチューブリアレイズだ。チューブの最大の物理的利点は「伸びるほど負荷が増す漸進的過負荷(プログレッシブ・レジスタンス)」にある。ダンベルの場合、下ろした位置(スタート地点)では重力が下向きにしか働かないため負荷が抜けやすいが、チューブなら動作の全可動域で常に張力が維持される。柱やドアノブにチューブを固定して斜め後ろに引くリバースフライ動作を行うか、両足でチューブ中央を踏んで前傾姿勢で左右に引き裂くように広げる。1セット25〜30回のハイレップで行うと、毛細血管が拡張し、強烈なパンプ感を得られる。
完全に器具を使わない三角筋後部の自重種目としては、「プローン・リバーススノーエンジェル」が極めて有効だ。うつ伏せに寝転がり、額を床に軽くつけた状態で、手のひらを下に向けて腕を水平に広げる。肩甲骨を過度に寄せず、床から腕を数センチ浮かせたまま、鳥が羽ばたくように頭上から骨盤の横までゆっくりと弧を描く。一見地味な動作だが、重力に抗して上腕を浮かせ続けるアイソメトリックな緊張により、数分で三角筋後部から背部インナーマッスルにかけて心地よい疲労が広がるはずだ。