膵頭十二指腸切除術(PD)や膵体尾部切除術、あるいは膵全摘術を受けた患者にとって、術後の食卓は文字通りのリハビリテーション現場となります。消化管の走行が物理的に再建され、胃や十二指腸のクッション機能が失われるためです。
ここで命題となるのが、膵臓癌術後に食べてはいけないもの詳細まとめの正しい理解です。術後早期に絶対に避けなければならないのは、以下の3要素を多く含む食事です。
第一に、「一度に流し込む高濃度の糖質」です。缶コーヒー、ジュース、甘いシロップのかかったデザートなどを空腹時に摂取すると、腸管内に急激に濃い糖液が流入します。これによって引き起こされるのが、膵臓がん術後のダンピング症候群予防で最も警戒すべき「早期ダンピング」と「後期ダンピング」です。
早期ダンピングは食後20〜30分以内に発生し、腸管内への水分急激移行に伴って冷や汗、動悸、めまい、激しい腹痛を引き起こします。一方、食後2〜3時間後に起こる後期ダンピングは、糖の急速吸収に反応してインスリンが過剰分泌された結果生じる「反応性低血糖」であり、手の震え、意識朦朧、脱力感に襲われます。これを防ぐためには、「1回の食事を従来の半分にし、1日5〜6回に分けて食べる分割食」を徹底しなければなりません。
第二に、「繊維が硬く未消化のまま通過しやすい食品」です。タケノコ、山菜、コンニャク、海藻類、スルメなどは、吻合部(消化管をつなぎ合わせた部分)に引っかかり、激痛を伴う機械的イレウス(腸閉塞)を引き起こす危険性があります。術後数カ月間は、食材を細かく刻み、圧力鍋などで繊維が崩れるまで煮込む調理法が求められます。