バウムテストとうつ病の真相|枯れ木や筆圧が暴く心のSosと判定基準

バウムテストとうつ病の真相|枯れ木や筆圧が暴く心のSosと判定基準

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「たった1本の木を描くだけで、なぜ心の病や性格の歪みまで見抜かれてしまうのか」。この疑問に対し、精神医学では投影法(Projective Method)という心理検査のメカニズムを用いて説明します。質問紙法のように「はい/いいえ」で答えるテストとは異なり、受検者が自由に表現できる曖昧な課題を与えることで、無意識の防衛機制をすり抜け、内面にある葛藤や抑圧された感情を浮き彫りにする手法です。

スイスの心理学者カール・コッホが1949年に発表したバウムテストは、「実のなる木を1本描いてください」という教示から始まります。木というモチーフは、洋の東西を問わず古来より「生命」「自己の成長」「人間そのもの」の象徴として無意識下に刷り込まれています。人間は木を描くとき、知らず知らずのうちに自分自身の身体的・精神的な自己像(セルフイメージ)を投影してしまいます。

健康な状態であれば、根から水分を吸い上げ、太い幹を通じて枝を四方に伸ばし、青々とした葉や実をつける生命力あふれる木が描かれます。これに対し、脳内の神経伝達物質の機能低下によって意欲や活力が著しく奪われるうつ病の状態に陥ると、画用紙の上に「活力に満ちた生命体」を描き出すこと自体が困難になります。描画に現れる細部や線の勢いは、本人の意識的なコントロールを離れ、現在のエネルギーレベルを克明に映し出します。

加藤 愛美
著者

加藤 愛美

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。