脳科学の分野からも、この現象を支持する声が上がっている。常に通知を待ち受ける状態の脳は、慢性的な軽度ストレス状態にあり、前頭葉が疲弊しきっているという。意図的にすべての接続を断ち、目的地を決めずに歩き回ることで、脳の「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」が活性化する。
DMNは、脳がアイドリング状態のときに働くネットワークであり、自己認識や記憶の整理、創造的なアイデアの創出に深く関わっている。つまり、あえて「何もしない」「どこにも属さない」時間を作ることが、結果として脳のリカバリーに直結しているのだ。デジタルデトックスという言葉が生ぬるく感じられるほど、この「一日だけの根無し草」体験は劇的な効果をもたらしている。