炉の扉が閉まると、台車に載せられた棺は自動的に「主燃焼室」の定位置へと送り込まれます。点火されると、バーナーから噴出する高圧の火炎がまず木製の棺を包み込みます。このとき、火葬炉内部の温度はおよそ800℃から1000℃という超高温に達します。温度が低すぎると不完全燃焼を起こして黒煙やダイオキシンが発生し、逆に高すぎると遺骨が焼き切れて粉々になってしまうため、常に絶妙な熱量が保たれます。
火葬に要する時間は一般成人でおよそ50分から70分、冷却時間を含めると約1時間半が標準的です。火葬中の様子を時系列で追うと、点火から約10分で棺が燃え尽き、炎はご遺体へと届きます。水分を多く含む皮膚や筋肉組織、内臓が順次熱分解され、最後に強固な骨格だけが台車の上へ残る設計になっています。
炉内には複数の送風口が配置されており、下部や側面から計算された気流を送り込むことで、遺骨を風圧で吹き飛ばすことなく、可燃部分のみを迅速かつ均一に燃焼させます。