2014年当時の深夜ドラマ枠(MBS・TBS系)でありながら、なぜこれほどの一流俳優たちが集結したのか。その核心には、企画・演出・プロデュースを手掛けた山口雅俊監督の演出手腕と、主演・山田孝之さんが持つ俳優界での求心力がありました。
当時、綾野剛さんは映画やプライム帯ドラマでの主演が相次ぐブレイク期にありました。しかし、プライベートでも深い親交を持つ山田孝之さんからの直接のラブコールと、「地上波の限界に挑む尖った作品を作りたい」という制作陣の熱量に共鳴し、レギュラー出演が決定した経緯があります。二人が駄菓子屋の店先で繰り広げる、日常と狂気が紙一重で交錯するローテンションな掛け合いは、アドリブを交えた阿吽の呼吸によって生み出されました。
さらに、後の劇場版『闇金ウシジマくん Part2』へと直結するキーマン・菅田将暉 加賀マサル 出演回に関する展開も見逃せません。当時弱冠20歳前後だった菅田将暉さんは、無軌道なヤンキーでありながらカウカウファイナンスに入社し、丑嶋の懐に飛び込んでいく危険な青年・加賀マサル役を怪演。体当たりの演技で強烈な爪痕を残しました。
業界関係者の証言によると、当時のオーディション現場やオファー現場では、「ウシジマくんの現場を経験すると役者として一皮剥ける」という共通認識が若手実力派の間で急速に広まっていたとされています。単なる深夜のバイオレンス作品ではなく、人間の剥き出しの欲望や絶望を表現できる場として、キャリア志向の俳優陣にとって格好の挑戦状となっていたのです。