例外的に就寝時の骨盤固定が検討されるのが、出産直後の産褥期骨盤ベルト夜間の使い方です。分娩時に分泌されるホルモン「リラキシン」の影響で骨盤結合部が極限まで弛緩している産後1〜3週間前後において、自力で寝返りが打てないほどの恥骨痛や仙腸関節障害を抱えているケースでは、適切な保護が必要となります。
代表的な医療用骨盤ベルトである「トコちゃんベルト(主にトコちゃんベルトII)」を例にとると、助産指導の現場におけるトコちゃんベルト寝る時つけ方には明確なルールが存在します。
まず、日中の立ち仕事時と同じ強さで巻くのは厳禁です。寝た状態で骨盤高位(お尻の下にクッションを入れ、骨盤を心臓より高い位置に保つ姿勢)を取り、内臓を頭側に引き上げた後、ベルトを恥骨結合と大転子を通る正しいラインに沿わせます。このとき、手のひらがベルトの内側にスッと差し込める程度のゆとりを持たせて固定するのが鉄則です。
また、産後骨盤ベルト寝る時の注意点として、横向き寝時の摩擦対策が挙げられます。就寝中はシーツとの摩擦でベルトが上にズレやすく、ウエスト部分まで上がってしまうと子宮や腸を直接圧迫します。これを防ぐため、必ず綿素材の腹巻を肌に直接着けた上からベルトを巻き、ズレを感知しやすい環境を整えてください。痛みがピークを越えた産後4週目以降は、就寝時の着用を速やかに卒業していく計画性が求められます。