連載終了直後からSNSや掲示板などでは、「丑嶋は救急車で運ばれて一命を取り留めたのではないか」「防刃ベストを着ていたのではないか」という、いわゆる「ウシジマくん生きてる説」が一部で囁かれました。しかし、作中の描写および公式見解を精査すると、この説は完全に否定されます。
作中において、丑嶋が倒れた後の出血量は致死量に達しており、薄れゆく視界の中で柄崎や幼少期の記憶が走馬灯のように巡る演出が施されています。また、最終第46巻の巻末や公式ファンブックにおける総括、真鍋昌平氏のコメントにおいても、丑嶋が死亡したことは前提として語られています。
なぜこのような生存説が生まれたのかといえば、物語のラストシーンで明確な「死亡診断」や「葬儀の描写」が描かれず、倒れた丑嶋のモノローグで作品が暗転したためです。しかし、この余白を残した幕切れは、ドラマチックな死を演出して読者にカタルシスを与えることを拒否し、現実の死が持つ「呆気なさ」を表現するための高度な演出意図によるものです。