大学受験や高校化学の定期試験で最も受験生を苦しめるのが、「下線部の言葉は元素を指すか、単体を指すか」を問う判別問題です。これは日本語の名称が全く同じ(「酸素」「カルシウム」「鉄」など)であるために生じる最大の難所です。
この罠を確実に突破するための、単体と化合物の見分け方および「元素か単体か」を見抜く2大判定メソッドを伝授します。
判定法①:「性質や実体を持った物質そのもの」か「単なる成分名」か
- 単体(物質そのもの):「空気中には約21%の酸素が含まれている」「ボンベから水素が漏れ出して引火した」。これらは空間に存在し、手で触れたり吸い込んだり反応したりする具体的な「物質」を指しているため単体です。
- 元素(構成成分):「牛乳にはカルシウムが多く含まれる」「水を電気分解すると水素と酸素が生じる」。牛乳の中に金属カルシウムの銀色の塊が浮いているわけではありません。あくまで化合物を形づくる成分・元素記号としての性質を述べているため元素です。
判定法②:「〜という元素からできている」と言い換えられるか
文中の言葉を「〜という元素」または「〜の原子を含む成分」と言い換えて文意が自然に通る場合は、間違いなく元素を指しています。「骨はカルシウムでできている」は「骨はカルシウムという元素を含んでいる」と言い換え可能なので元素です。一方で、「自動車の燃料として水素を充填する」を「水素という元素を充填する」と言い換えると不自然であり、気体物質そのもの(単体)を指していることが分かります。