赤犬とエースの戦いは、単なる海軍大将と指名手配犯の衝突にとどまりません。そこには、物語全体を貫く「正義と悪統」の深い因縁が横たわっていました。
サカズキが掲げる理念は「徹底的な正義」です。オハラの事件で見せたように、「悪の芽は可能性の段階で完全に摘み取らなければならない」という極端なまでの信条を持つ赤犬にとって、海賊王ゴール・D・ロジャーの血を引くエースは、生かしておくこと自体が世界に対する最大の脅威でした。サカズキは「他の海賊は逃がそうとも、貴様ら兄弟だけは生かして帰さん」と公言しており、その標的は最初からエース、そして革命家ドラゴンの息子であるルフィの2人に絞り込まれていたのです。
能力差でエースを圧倒した直後、サカズキは無防備に崩れ落ちていたルフィへと狙いを定めます。極限の疲労で動けないルフィ目掛けて振り下ろされたマグマの拳。その瞬間、エースは自らの体を盾にして割り込みました。これが、エース ルフィ 庇う 理由の核心です。
自身の体を実体化させ、肉体そのもので赤犬の拳を受け止めたため、マグマの拳はエースの内臓を焼き、背中から胸へと完全に突き抜けました。自らの身が焼き尽くされることを理解しながらも、最愛の義弟の命を救うため、彼は一瞬の躊躇もなく自らを犠牲にする道を選んだのです。