野原家とシロの出会いは、1992年放送の初期アニメ(原作第1巻)に遡ります。空き地に置かれた段ボール箱の中に「オスです。かわいがってください」と書かれた札と共に入れられていたところを、しんのすけが見つけて野原家に連れ帰りました。
当時は「身勝手な飼い主に捨てられた可哀想な子犬」と思われていましたが、のちに明かされた真相は非常に切実かつ胸を打つものでした。シロの元の飼い主は「るんるん」という名の幼い女の子です。
るんるんは生まれた子犬たちを大切に育てていましたが、ある日父親が重度の「突発性犬アレルギー」を発症してしまいます。医師から「これ以上自宅で犬を飼育し続けると命に関わる」と宣告され、母親のボルシチや他の子犬たちを含め、全頭を手放さざるを得ない過酷な状況に追い込まれました。
るんるんは泣く泣く引き取り手を探し回り、どうしても見つからなかった最後の子犬(シロ)を、心優しい誰かに拾ってもらえることを祈りながら、涙を呑んで段ボールに入れて託したのです。単なる飼育放棄(ネグレクト)ではなく、家庭の健康上の危機と少女の苦渋の決断という背景がありました。