放送開始当初、インターネット上では「美女と野獣どころかギャップがありすぎる」「石原さとみの相手役として峯田和伸は合っていないのではないか」といった懐疑的なネットの反応も一部で見受けられました。正統派イケメン俳優が相手役を務めることの多かった石原の主演作において、サブカルチャーの象徴的存在である峯田の起用は、視聴者にとって大きなサプライズだったからです。
しかし、物語が進むにつれて視聴者の評価は180度転換します。直人が見せる純真無垢な優しさ、ももの心の闇をすべて受け止める圧倒的な器の大きさは、型通りの美男子俳優では出せない「生の人間味」を宿していました。NHK連続テレビ小説『ひよっこ』での宗男役などでも証明されていた峯田の天性の演技力は、本作において野島伸司の文学的で難解なセリフ回しに血を通わせる決定打となったのです。
最終回において、ももがすべての重圧と虚飾を脱ぎ捨て、直人のもとへと駆け寄る結末は、多くの視聴者に深いカタルシスを与えました。外見や家柄といった社会的な記号を剥ぎ取った先に残る「魂の結びつき」を描き切ったことで、2人のキャスティングは近年屈指の成功例として評価を確立することとなりました。