購入検討者が最も気にする「維持費の差」について、情緒的な推測を排して冷徹な数字で検証します。自動車を所有する上で不可避となる固定費には、自動車税(種別割)、自動車重量税、自賠責保険料、車検整備代、そして任意保険料が存在します。
税制面において、軽自動車税(自家用乗用)は一律年額10,800円に据え置かれています。一方、総排気量1.0リットル以下のコンパクトカー(パッソやルーミーの一部グレード等)は年額25,000円、1.0リットル超〜1.5リットル以下(ヤリス、ノート、フィット等)は年額30,500円です。税額単体で見れば軽自動車が年間約1.5万〜2万円安く抑えられる計算になります。
車検時に支払う重量税や整備費用についても、車重の軽い軽自動車に分があります。しかし、消耗部品の摩耗スピードに目を向けると様相が変わってきます。660ccの小排気量エンジンは普通車と同じ速度で巡航するために高回転を維持せざるを得ず、エンジンオイルやプラグ、タイヤなどの交換サイクルはコンパクトカーよりも早まる傾向が顕著です。
高速道路料金においては、軽自動車専用の車種区分が適用され、普通車に比べて一律約2割引で利用できます。週末ごとに高速道路を使って遠出するライフスタイルであれば、年間数万円の差額を生み出します。しかし、年間の維持費総額をフラットに見積もった場合、軽自動車とコンパクトカーの差は月額3,000円〜4,500円程度に落ち着くのが現実です。この僅かな金額差をどう捉えるかが、選択の第一関門となります。