笑福亭笑瓶さんの命を突如として奪った直接の死因は、急性大動脈解離です。大動脈解離とは、心臓から全身へ血液を送るもっとも太い血管である大動脈の内膜が裂け、血管壁の中に血液が流れ込んでしまう極めて危険な循環器疾患です。発症と同時に胸や背中に「引き裂かれるような激痛」が走るのが典型的な症状とされています。
笑瓶さんがこの病魔に襲われたのは、実は2023年の逝去時が初めてではありませんでした。2015年12月、千葉県内のゴルフ場で俳優の柳葉敏郎さんとプレー中に突然背中の激痛を訴えて倒れ、ドクターヘリで救急搬送された経験がありました。この時は迅速な医療処置と約2週間の入院加療を経て奇跡的に仕事復帰を果たし、メディアでも「命を拾った」と語っていました。
しかし、2023年2月21日の午前、自宅で再び倒れているところを家族に発見され、都内の病院へ緊急搬送。医療スタッフによる懸命な救命処置が行われたものの、翌2023年2月22日午前に息を引き取りました。自覚症状が出にくく、一度発症した患者は再発リスクを常に抱え続けるという大動脈解離の恐ろしさが、改めて浮き彫りとなった瞬間でした。