ピチカート(イタリア語:pizzicato)は、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスなどの弦楽器において、弓を使わずに指先で弦を直接弾いて音を出す奏法を指します。語源はイタリア語の動詞「pizzicare(つまむ、突く)」に由来しており、文字通り弦をつまむように弾く動作そのものを表しています。
クラシック音楽の技法一覧において、ピチカートは弓で弦をこすって持続音を奏でる「アルコ(arco)」と対をなす存在です。アルコが伸びやかで滑らかなレガートや豊かな倍音を響かせるのに対し、ピチカートは弦を弾いた瞬間にアタック音が立ち上がり、その後急速に音が減衰する「減衰音」が特徴です。雨だれの音、忍び足の足音、時計の針の刻み、あるいはユーモラスな会話のようなニュアンスを表現する際に重宝されます。