ゴーヤを育てていて最も多いトラブルが、「ツルはグングン伸びて黄色い花もたくさん咲くのに、一向に実がつかない」という現象です。この原因を突き詰めると、ゴーヤの生態に基づいた「親づるの摘心(てきしん)」と「根域を制限する土の量」という2つの決定的な要素に行き着きます。
まず知っておくべきは、ゴーヤの花の性質です。ゴーヤには雄花(おばな)と雌花(めばな)があり、最初に伸びる「親づる」には雄花ばかりが咲きやすく、雌花はほとんどつきません。実を結ぶ雌花は、親づるから分岐する「子づる」や「孫づる」に多く発生します。つまり、親づるを伸ばしっぱなしにしておくと、見かけ上は葉が生い茂っても雄花ばかりが咲き誇り、結果として実がならない状態に陥ってしまうのです。
さらに見落とされがちなのが土の容量です。ゴーヤは根の張りが極めて旺盛な植物です。小さな鉢や浅いプランターではすぐに根詰まりを起こし、開花しても受粉・肥大させる体力が残っていません。葉の蒸散スピードに吸水が追いつかず、せっかく咲いた雌花を自ら落としてしまう生理落果を招きます。豊かな収穫を得るためには、初期段階での正しい仕立てと十分な土壌環境の確保が欠かせません。