ネット空間で「抗がん剤はやらないほうがいい」という主張が拡散される背景には、過去の激しい副作用のイメージや、一部の書籍・民間療法による情報発信が影響しています。抗がん剤治療を拒否する理由の多くは、脱毛や激しい吐き気、全身の倦怠感によって「人間らしい生活が送れなくなるのではないか」という強い恐怖心に起因しています。
現代の腫瘍内科では支持療法(副作用を抑える治療)が飛躍的に進歩しており、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬など、従来の細胞障害性抗がん剤とは異なるアプローチも標準化されています。一概に「すべての患者が抗がん剤を避けるべき」とする言説は医学的な誤解ですが、同時に「何が何でも限界まで続けるべき」というのも現代の医療現場では否定されつつあります。