「たっすい」という語の成立には諸説が存在します。古語や方言学の研究において有力視されているのは、中世日本語で見られた「手薄(たすき・たすい)」が音変化したという説です。手が足りないことや勢力が弱いことを意味していた言葉が、次第に物事の手ごたえのなさや脆弱さを指す形へと変化したと考えられています。
また、「達者(たっしゃ)」の反対語的な発想や、水気が抜けて萎びた状態を連想させる擬態語的ニュアンスが重なり合って定着したという見解もあります。温暖で台風の直撃を受けやすい過酷な自然環境と対峙してきた土佐の人々にとって、芯が通っていない軟弱な状態を戒め、力強さを重んじる文化がこの言葉を育んできた背景にあります。