精神疾患の治療中やその疑いがある場合、マインドフルネスの導入には極めて慎重な判断が求められます。疾患の種類や病期によっては、瞑想が引き金となって状態が急変する危険性があるためです。
特に急性期のうつ病における悪化リスクは深刻です。静かな環境でじっと座ることで、過去の失敗や自己否定の感情が堂々巡りする「反芻(はんすう)思考」に油断なく巻き込まれ、絶望感を深めてしまう例が後を絶ちません。また、パニック障害における危険性も見逃せません。呼吸や心拍といった身体感覚に過敏に意識を向けるあまり、「息が苦しい」「心臓が止まるのではないか」という予期不安が暴走し、パニック発作を誘発する引き金になります。
さらに、統合失調症での注意点として、瞑想特有の変性意識状態が幻覚や妄想を活性化させ、現実検討識を喪失させる恐れが指摘されています。精神科や心療内科に通院している場合は、自己判断での瞑想を直ちに中止し、必ず主治医の判断を仰ぐことが鉄則です。