酒さ様皮膚炎の恐ろしさは、皮膚という目に見える器官が侵されることによる、すさまじい心理的ダメージにあります。SNSや匿名掲示板、闘病ブログには、当事者たちの悲痛な叫びが日々刻まれています。
「朝起きて鏡を見るたび、変わり果てた自分の顔に涙が止まらない」「職場で『顔が赤いけどどうしたの?』と悪気なく聞かれるのが何よりも苦痛で、人と視線を合わせられなくなった」「顔中が燃えているように熱く、保冷剤を手放せないせいで夜も眠れない」――自著や体験談で語られるこれらの声は、決して誇張ではありません。外見の急変は自己肯定感を粉々に打ち砕き、社会生活からの孤立やうつ状態を引き起こす深刻な「QOL(生活の質)の破壊」をもたらします。
取材班が多くの回復者の軌跡を分析したところ、出口の見えない泥沼から抜け出せた人々には明確な共通項がありました。それは、「複数のクリニックを渡り歩くドクターショッピングをやめ、酒さ・酒さ様皮膚炎に精通した皮膚科専門医をパートナーに定めたこと」です。
一般的な皮膚科であっても、酒さ様皮膚炎の鑑別が不十分な医師のもとでは「肌荒れが悪化した」と誤認され、さらに強いステロイドやプロトピックが追加処方されて泥沼化するケースが後を絶ちません。完治を果たした患者の多くは、日本皮膚科学会の専門医マップなどを精査し、酒さ様皮膚炎の治療実績を明記している医師のもとで「悪化は一時的な反跳現象である」という明確な見立てとメンタル面の支えを得て、リバウンドの荒波を乗り切っています。