地震雲は前兆なのか?最新科学が解き明かす真相と偽写真の見分け方

地震雲は前兆なのか?最新科学が解き明かす真相と偽写真の見分け方

地震雲は前兆なのか?最新科学が解き明かす真相と偽写真の見分け方について知っておくべき ポイントを厳選して解説いたします。

空の異変と地殻変動を結びつける発想は、決して近年始まったものではない。大正から昭和初期にかけて活躍した物理学者の寺田寅彦は、大気現象と地殻の歪みに関する相関関係について言及し、後世の研究者に大きなテーマを投げかけた。また、1970年代には元奈良市長の鍵田忠三郎が独自の観察から「地震雲」の存在を精力的に主張し、一般社会へ広く知れ渡るきっかけを作った。

とりわけ1995年の阪神・淡路大震災においては、発生直前に「東西に伸びる不気味な雲を見た」「空が赤く染まっていた」といった目撃談が多数報告された。当時のNHKをはじめとするメディアにも多くの写真や情報が寄せられ、人々の心に「怪しい雲=災害の前兆」という強い印象が焼き付くこととなった。しかし、これら目撃例の多くは、大災害を経験した後に過去の記憶を再構成してしまう「認知の偏り(確証バイアス)」による影響が大きいと専門家は分析している。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。