なぜジョン・ウィックは、傷だらけになりながらも戦い続けるのでしょうか。その根源にあるのは、失われた「人間としての平穏な記憶」を守り抜く意志です。
かつて裏社会で「ババヤガ(ブギーマン)」と恐れられた凄腕の殺し屋ジョンは、最愛の妻ヘレンとの出会いを機に引退を決意しました。しかし、ヘレンは病で他界。絶望の底にいた彼のもとに届いたのは、妻が生前に手配していた1匹の子犬(デイジー)でした。子犬は、ジョンの残された人間性と希望の象徴そのものでした。
ところが、ロシアンマフィアのボスのドラ息子がジョンの愛車フォード・マスタングを狙って自宅を襲撃し、愛犬を無残にも撲殺。この理不尽な暴虐が、眠れる獅子を完全に覚醒させました。引き金を引いたのは犬への愛ですが、戦いが進むにつれ、彼の目的は「妻との思い出を胸に、一人の人間として静かに生きる権利を取り戻すこと」へと昇華していきます。
また、本作の魅力を語る上で外せないのが、キアヌ・リーブス自らが過酷なトレーニングを経て体得した「ガンフー(銃撃戦+カンフー・柔術)」です。近接格闘で敵の体勢を崩しながら頭部を正確に撃ち抜くCQCアクションは、CG全盛の時代において本物の肉体表現として映画界に衝撃を与えました。
【主要登場人物・相関図のポイント】
・ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス):
伝説的暗殺者。愛と自由のために裏社会の頂点へ立ち向かう。
・ウィンストン(イアン・マクシェーン):
コンチネンタルホテル・ニューヨークの支配人。ジョンを息子のように気にかける一方、組織の均衡を重んじる冷徹な策士。
・シャロン(ランス・レディック):
コンチネンタルホテルの忠実なコンシェルジュ。常に冷静沈着にジョンを支える盟友。
・バワリー・キング(ローレンス・フィッシュバーン):
地下犯罪組織の情報王。主席連合に反旗を翻し、ジョンと共闘関係を結ぶ。
・ケイン(ドニー・イェン):
『コンセクエンス』に登場。盲目の達人であり、娘を守るため主席連合の命令で親友ジョンと対峙する悲劇の宿敵。