ワニの目はなぜ暗闇で赤く光る?水中も見える「瞬膜」の秘密と驚きの真相

ワニの目はなぜ暗闇で赤く光る?水中も見える「瞬膜」の秘密と驚きの真相

ワニの目はなぜ暗闇で赤く光る?水中も見える「瞬膜」の秘密と驚きの真相について知っておくべき 事実を分かりやすい構成で解説いたします。

夜間のフィールドワークにおいて、研究者やガイドがワニの生息を探る際に最も頼りにするのが「アイシャイン(Eye-shine)」と呼ばれる眼球の反射光です。ワニの目が光る理由の核心は、自ら発光しているのではなく、外部から差し込んだわずかな光を眼球の奥で反射させている点にあります。

この反射を生み出しているのが、網膜の直背後に位置するタペタム(輝板・Tapetum lucidum)という特殊な生体反射板です。暗所に入り込んだ光子は視細胞を通過した後、このタペタムに衝突して鏡のように跳ね返り、再び視細胞を刺激します。つまり、光の利用効率を物理的に2倍へと引き上げる増幅回路が眼球内に組み込まれているのです。

ここで多くの人が疑問を抱くのが、「イヌやネコのタペタム反射は黄緑色や白金色に光るのに、なぜワニの目 暗闇で赤く光る真相はこれほどまでに鮮血のような深紅なのか」という点です。その決定的な理由は、ワニの網膜および脈絡膜に張り巡らされた極めて高密度な毛細血管網と、網膜内に沈着している特有の色素にあります。

タペタム自体は無機結晶(グアニン結晶など)を主成分とする層ですが、反射した光が再び眼球の外へと放出される際、網膜を満たす血液中のヘモグロビンによって短波長〜中波長(青や緑)の光が強く吸収されます。その結果、吸収を免れた長波長域(620〜750ナノメートル付近の赤色光)だけが強く前方に照射され、観察者の目には妖しく燃えるルビーのような赤色として映るのです。この卓越した低照度視覚こそが、新月の夜であっても水面を泳ぐ小動物を逃さず仕留める夜行性爬虫類 視覚メカニズムの真骨頂といえます。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。