中学時代までの田中将大は、まだ粗削りな捕手兼投手だった。その規格外の潜在能力をいち早く見抜き、本格的な投手として才能を開花させた人物こそ、駒澤大学附属苫小牧高等学校を率いていた香田誉士史監督である。
極寒の北海道。雪に閉ざされた室内練習場で、名将は若き右腕に徹底した下半身強化と折れないメンタルを叩き込んだ。「走れ、逃げるな」。過酷な鍛錬と熱血指導に応え、彼は急速に頭角を現す。2年夏の甲子園では2年生エースとしてチームを牽引。北海道勢初となる全国制覇、そして翌年の連覇達成という歴史的快挙の原動力となった。