『GOOD LUCK!!』の最終回(第10話)において、ドラマ史に残るハイライトとなったのが、ハワイ・ホノルルのワイキキビーチで繰り広げられたロングキスシーンです。
訓練中の事故で足を負傷し、パイロット生命の危機に瀕していた新海が、過酷なリハビリを乗り越えて実機復帰を果たしたラストフライト。その目的地であるハワイの浜辺で待っていた歩実。普段は感情をむき出しにせず、ツンとした態度を崩さなかった歩実が、海から上がってきた新海を抱きしめ、情熱的なキスを交わす場面は、視聴者に強烈なカタルシスを与えました。
放送直後からインターネット上では「あのキスシーンは木村拓哉のアドリブだったのではないか」「柴咲コウの驚いた表情が本物に見える」といったアドリブ説が飛び交いました。しかし、当時の現場制作スタッフの証言や関係者の記録を総合すると、このシーンは「新海と歩実の距離感が極限まで高まった瞬間を切り取るための綿密な演出」と、二人の研ぎ澄まされた演技セッションが生み出したものでした。
台本上には確かにキスの指示が存在していましたが、二人が重ねた時間の長さや、感情の昂ぶりによるアドリブ的なニュアンス、お互いの息遣いは、予定調和を嫌う木村拓哉と柴咲コウだからこそ到達できた生の表現でした。爽快な青空と波の音の中、言葉よりも雄弁に愛と信頼を交わし合った結末は、平成を代表する最高のエンディングとして今なお語り継がれています。