幼少期に形成された「感情の抑圧パターン」は、きょうだい児が大人になってからより深刻なきょうだい児の生きづらさとして表面化します。自立して実家を離れた後も、「自分だけが幸せになっていいのだろうか」という自責の念が拭えず、自己肯定感の低さや対人関係の過度な緊張に苦しむケースが目立ちます。
なかでも深刻なのが、ヤングケアラーとしてのきょうだい児問題です。幼い頃から兄弟姉妹の着替えや食事介助、外出時の付き添い、感情のなだめ役を担わされてきた当事者は、それが「家庭内で当たり前の役割」として内面化されているため、自身が過度なケア負担を負っている自覚を持ちにくい構造があります。その結果、学業の断念や部活動の制限、同世代との友人関係の希薄化を余儀なくされ、社会人になってからもキャリア形成で大きな制約を受けます。
さらに、親が高齢化するにつれて「親の代わりに誰が兄弟姉妹の面倒を見るのか」という問題が重くのしかかります。施設入所の手続きや成年後見制度の活用といった現実的な生活設計について、家族間でオープンに対話できていない場合、きょうだい児は一人で将来の不安を抱え込み、孤立無援の心理状態に追い込まれてしまいます。