インターネット上の掲示板やレビューサイトを見ると、「川崎のガールズバーは都内(新宿・新橋)より格段に安い」という言説が散見されます。しかし、この言説には構造的な盲点があります。
基本のセット料金(40分3,000円など)だけを見れば確かに都内一等地に比べて数百円から千円程度安く設定されていますが、客単価で見ると最終的な支払額は1人あたり7,000円〜12,000円程度に収束することが大半です。ここには、客とキャストの心理的な駆け引きが関係しています。
ガールズバーは、キャバクラのような「風営法第2号営業(接待飲食等営業)」ではなく、カウンター越しに飲食を提供する「深夜酒類提供飲食店」として営業する店舗が基本です。隣に座って身体的距離を縮める接待が禁じられている分、キャストはカウンター越しの会話技術と「ご馳走してもらうドリンク」によって自らの評価(バック)を獲得します。
「1杯もらっていいですか?」という笑顔の問いかけを無防備に受け入れ続けると、40分のセット時間内にキャストドリンクが3杯〜4杯加算され、ドリンク代だけで4,000円〜5,000円が上乗せされます。ここにTAX20%が加われば、当初3,000円の予算で入ったはずが8,000円を超えていきます。これは不正請求ではなく店舗の正規システムですが、「安い店だから」と油断して入店した客の心理的ギャップを生む最大の要因となっています。