「認知症になっても後見制度があるから安心」という言説は、現場を知らない者の楽観論にすぎません。法的な財産管理制度には、一般に知られていない明確なデメリットが存在します。
本人の判断能力があるうちに後見人を指定しておく「任意後見制度」ですが、任意後見制度 デメリットとして挙げられるのは、家庭裁判所によって「任意後見監督人」が必ず選任される点です。これにより、監督人に対する報酬(月額1万〜3万円程度)が生涯にわたって発生し続けます。また、成年後見制度と同様に「本人の財産保護」が最優先されるため、柔軟な生前贈与や相続税対策、積極的な資産運用・不動産組み換えは原則として一切認められなくなります。
こうした硬直性を回避する手段として近年注目を集めているのが、認知症対策 家族信託(民事信託)です。信頼できる甥・姪や法人受託者等に財産の管理処分権限を信託することで、自身や配偶者の生活費・医療費を捻出しつつ、配偶者の死後は残余財産を指定の慈善団体へ寄付(遺贈寄付)するといった極めて柔軟な資産設計が可能となります。