当時のAKB48劇場や握手会会場は、ファン一人ひとりと全力で心を通わせる「神対応」が評価の基準だった。だが、島崎遥香が提示した立ち振る舞いはその正反対だ。自分の感情に嘘をつかない、疲れているときはそのままの表情を見せる。その率直さが、逆に「演出ではない本物感」として若い世代を中心に強い共感を呼んだ。
ただの不愛想で終わらなかったのは、彼女が持っていた圧倒的な透明感と、時折見せる無防備な笑顔のギャップがあったからにほかならない。塩対応は計算されたマーケティングではなく、多忙を極める過酷な現場で自分自身を守るための切実な防衛本能であり、同時に彼女独自のスタイルでもあった。