キャストの魅力を極限まで引き出す設計図を描くのが、脚本家と制作陣の最新動向です。『豊臣兄弟!』の脚本を手掛ける八津弘幸氏は、綿密な歴史考証を踏まえつつも、登場人物たちの血の通った会話劇に定評があります。歴史の結末が分かっている戦国史劇だからこそ、「なぜその選択をせざるを得なかったのか」という心理的リアリズムを極限まで掘り下げています。
さらに、2027年『逆賊の幕臣』の脚本を務める安達奈緒子氏の登用も見逃せません。人間の機微を繊細に掬い上げる彼女の手腕が、幕末の動乱期に散った小栗忠順という不遇の天才にどのような光を当てるのか。従来のステレオタイプな幕末観を打ち破る革新的なアプローチが期待されています。両作に共通するのは、歴史上の勝者だけでなく、敗者や裏方に徹した人々の生き様に温かな眼差しを注いでいる点です。